カヤノヒメは、記紀に登場する草の神様で、別名が野椎神(のづちのかみ)です。
伊邪那岐命 (いざなぎ)と伊邪那美命(いざなみ)の間に生まれました。
『古事記』においては、山の神様である大山津見神との間に、神様達を生まれたと記されています。
神名の「カヤ」は萱のことです。
萱は屋根を葺くのに使われ、家の屋根を葺く草の霊として草の神の名前となったようです。
別名の「ノヅチ(野槌)」は「野の精霊(野つ霊)」の意味だそうです。
因みに、古代では野に茂るカヤに関する俗信に、カヤの箸でご飯を食べるとお腹にいいとか、秋にはカヤの箸を作って神さまにささげるといったものがあるようです。
カヤに対する信仰をみると、古くからカヤには野に満ちる生命力が宿っていると考えられてきたことがわかります。
カヤノヒメ神の名前のカヤはまさにそうした野の草の茅(萱)であり、別の呼び名で草野(かやぬ)草祖(くさおや)とあるように、この神さまは草や野の精霊が神格化したものです。
別名の「ノヅチ」は野津持(のつもち)の意味であり野の緑をつかさどることを表しています。
この神さまの姿には、古代の人々がカヤの旺盛な生命力に抱いた畏敬の念が反映されているようです。
家の主要部分である屋根という性格をもっていることから、カヤノヒメ神は家宅の守護神としても信仰されています。

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